雇用差別を許さないネットとやま
正式名称:女性差別・非正規差別など雇用差別を許さないネットワークとやま
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報告
女性差別撤廃条約選択議定書早期批准を求める講演会開催 2019.11.24
★チラシ★
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サンフォルテフェスティバル・ワークショップ 2019年6月23日
協賛呼掛け 趣意書
「非正規に尊厳を!メトロレディーブルース総集編上映会&原告の声をきく」
<報告>
非正規雇用への賃金差別を訴え裁判をたたかっている「メトロコマース事件」の原告4人のうち、3人が来県。冒頭、原告が、「メトロ音頭~裁判の巻~」(炭坑節の替え歌)を歌い、参加者が唱和、続いて、当会の本間から挨拶を兼ねて原告の紹介、上映するDVDの説明の後、55分の上映会が始まりました。
★上映会
「まったく同じ仕事をしているのになんでそんなに給料の差があるの?」「これは差別そのものではないの?」「契約更新でいつ首を切られるかわからない。」そんな疑問や不安の中、キャリア10年以上のベテランの東京地下鉄の女性売店員たちがユニオンを作って立ち上がりました。映画は、初めてのストライキから、会社との交渉、そして裁判提訴と続く4人の「メトロレディーたち」の6年のたたかいをドキュメントしたものです。高裁の判決は、住宅手当と褒賞金の請求を認めたものの、基本給や賞与の格差は認めず、退職金は根拠を示さず正規の4分の1、原告のうち一人の請求はすべて棄却という極めて不当なものでした。正義を求めた裁判所に裏切られて怒りの声を上げ、「上告して、差別が撤廃されるまでたたかい続ける!」との強い決意が伝わる映画でした。
★原告の声を聴く
疋田さん
安倍首相は、「同一労働同一賃金」というが、絵に描いた餅。「女性が輝く社会」に対し、「生活できなければ輝けないじゃないか!」
瀬沼さん
4人の中で唯ひとり全面棄却と司法に差別・分断された。立ち直ることに時間がかかったが、落ち込んでいてはたたかいの力がそがれ、司法の思うつぼ。分断を許さないと自身を立て直して、団結力がさらに強まり、会社にアピール行動を続けた。
後呂さん
裁判だけでは勝てない。皆さんと世論を高めることが重要。世論によって司法を動かすたたかいが必要。DVD上映で運動の広がりを実感している。若い人に運動をつなげたい。
★この後フリートークがあり、土井さんから「権力の分断を許さず、団結力で共にたたかいましょう。」と終りの挨拶がありました。参加者から、「労働者が誇りを持つこと、それが社会を変えると思った。」と感想文をいただきました。
メトロコマース裁判 原告
「女性差別撤廃条約実現アクション」キックオフ! 2019年3月5日
2019年3月5日、「女性差別撤廃条約実現アクション」が、国連女性差別撤廃条約「選択議定書」早期批准を目指すキックオフ集会を開催しました。「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)」と「国際女性の地位協会(JAIWR)」の呼び掛けによるものです。全国から女性団体や17名の国会議員など150人超の参加で、衆議院第2議員会館内の会場は超満員!
プログラムは、①参加団体の動画リレーメッセージ②共同代表あいさつ 柚木康子さん③顧問あいさつ 赤松良子さん④基調講演 山下康子さん⑤国会議員からの発言⑥意見交換⑦今後の取組みの提案 の順で行われました。
冒頭、共同代表の朝倉むつ子さんからのメッセージが紹介されました。
「女性であることを理由に差別されてはならない」と、日本国憲法も女性差別撤廃条約も、そう宣言しています。しかし、この国ではまだ、性差別を受ける人があとをたたず、その違法性を訴えても、国内の裁判所で救済されていないことが起きています。そんな理不尽な事態を一刻も早くなくしたい。そのためにも、「個人通報制度を利用できるようにしたい」。
また、共同代表の柚木さんからは、活動の第1歩として、リーフレット「国連女性差別撤廃条約『選択議定書』“批准”しないとはじまらない!!」を作成しました。是非リーフを活用し、「女性の権利を国際基準に」との声を大きくしていきましょう、など挨拶がありました。
基調講演の山下康子さんからは、「なぜ、選択議定書の批准が重要なのか」についてリーフレットに沿って説明がなされました。その内容と、私が、「なぜ、個人通報制度の活用を求めるのか」について書きます。
リーフレットの概要
「なぜ、選択議定書の批准が重要なのか」
〇女性差別撤廃条約は「選択議定書」の批准でパワーアップ!
現在、世界で、189カ国が批准している女性差別撤廃条約は、「あらゆる分野で女性が性に基づく差別を受けない権利」と「平等の権利」を保障しています。しかし、109カ国が批准している同条約の「選択議定書」の批准を、日本はまだ行っていません。「選択議定書」は、条約の実効性を強化し、一人ひとりの女性が抱えている問題を解決するために採択されました。両者は自転車の両輪に例えられ、「選択議定書」未批准のままでは女性差別撤廃条約実現に向けて前に進むことができません。
〇女性差別撤廃条約をパワーアップする「選択議定書」の2つの制度
「個人通報制度」
女性差別撤廃条約で保障されている権利が侵害されたとき、女性差別撤廃委員会(CEDAW)に通報して救済を申し立てることができる制度。
「調査制度」
女性差別撤廃委員会が、女性差別撤廃条約に定める権利の、重大または組織的な侵害があるという信頼できる情報を得た場合に、当該国の協力の下で調査し、国に調査結果を意見・勧告とともに送付する制度。
〇なぜ、いま私たちは「女性差別撤廃条約選択議定書」の批准を求めるのか?
・現在の不平等を変えるため
・司法におけるジェンダー・バイアスを変えるため
・性差別を再生産する日本の性別役割分業の解消を求めるため
・今、個人通報をしたい人たちがいるから「男女賃金差別を問いたい」、「選択的夫婦別姓を認めて」、「婚外子を差別する戸籍の記載はやめて!」
〇「選択議定書批准すると日本はどう変わる?
*裁判所(司法)が、女性差別撤廃条約を適用するようになります。
*国会(立法)が、性差別的法制度を見直し法整備が進みます。
*国・地方自治体(行政)が、差別された個人を救済するための方策をとるようになります。
*個人やNGOが、無意識の性差別をなくすために、条約を活用して世論を喚起できます。
*ジェンダー平等と女性の権利の国際基準が、私たちのものになります。
〇世界ではすでに成果が出ています。
事例;フィリピンの強姦事件、ブラジルのマイノリティ女性の出産死亡事件、スペインの面会交流中の子供の殺害事件
「なぜ、私は個人通報制度の活用を求めるのか」
東和工業コース別男女差別裁判元原告 本間啓子
2002年東和工業は、コース別雇用制度導入時、私が女性であることを理由に、設計職7名中ただ1人一般職に振り分け、男性は後輩を含め全員総合職にしました。設計経験12年で2級建築士の資格取得は設計部長と私だけでした。一般職にされた後も退職まで職務内容は専門性の高い業務
業務を継続して行い、会社に総合職への是正を求め続けましたが、かなわず、在職中に「差別は許さない」と提訴しました。
2015年、2016年に出された地裁、高裁判決では、「原告の技能レベルが低いから一般職にした」という会社の主張を「裁判提起後の後付けの理由である」としりぞけ、「労働基準法4条違反」と認めました。そのうえで「一般職として支払われていた賃金と総合職の賃金との差額を支払え」と命じました。しかし、差額賃金は、基本給の内、年齢給部分だけを損害と認め、職能給部分は、差別救済の対象から除外しました。高裁判決では、企業の裁量権を聖域化し職能給の格差を認めませんでした(判断に明らかな矛盾があり、不合理で杜撰なものです)。つまり、昇格・昇進の判断は企業の裁量に任されるべきだという差別是正に対する裁判所の消極的姿勢が存在します。
職能給差額以外にも年金額差額、退職金差額、消滅時効についての判断の誤り、「職務内容」についての著しい事実誤認があると最高裁に上告しましたが、不当にも棄却となり高裁判決が決定されました。
結局、裁判で女性差別を認めても原告の救済には至らず、逆に、本来差別が無ければ被告が支払うべき賃金・退職金の差額の一部しか支払わせず、会社の「差別はやり得」を許す結果となりました。また、年金格差相当の損害が認められないことは、年金を通し、一生差別が是正されない状態が続きます。このような事態は、差別をさらに拡大再生産させ、差別の強化につながり、女性差別撤廃の動きに逆行します。
企業の裁量権を聖域化し、男女平等権を企業の裁量に劣後させた司法の判断が、今後の裁判で踏襲されるならば、「男女賃金差別裁判の原告勝利はあり得ないのではないか」と、私は非常に強い危機感を持っています。「個人通報制度」が使えたら、日本の司法は、「男女差別の撤廃」と「差別からの救済」を放棄していると救済を申し立て、この東和工業事件の司法判断を世界に問いたいです。
個人通報制度の早期批准を!
〇批准に向け私たちができること
①国会への請願署名に取り組む ②国会議員(特に地元出身)に批准を働きかける
③地方議会に批准を求める意見書採択を訴える ④リーフレットを配布する
⑤勉強会を企画する ⑥SNSで拡散する ⑦メディアに投書する
☆リーフレット・請願署名用紙の請求先
女性差別撤廃条約実現アクション 連絡先 : opcedawjapan@gmail.com
いま、非正規用労働者をとりまく 法律が大きく変わろうとしています。あなたは知っていますか?
学習会報告 2018年12月16日実施
当会「雇用差別を許さないネットとやま」主催で公務職場の非正規労働者の働き方―をテーマに、12月16日午後、富山市サンフォルテで学習会を開きました。
講師は、自治労富山県本部 組織化対策部長の又市秀治さんです。
地方公務員法・地方自治体法改正により、2020年4月に「会計年度任用職員制度」が導入されます。現在の臨時・非常勤の職はほぼすべて廃止になり、「会計年度任用職員」に移行します。「雇用」のことを公務員は「任用」と呼ぶとのこと。
今回の法改正は、①非正規職員の任用根拠の「厳格化・明確化」と「会計年度任用職員の新設」、②臨時・非常勤職員の処遇の改善関係です。適正な処遇の確保について、「職務の内容と責任に応じた賃金の適用」「その他の労働条件について、正規職員や国の非常勤職員とのバランスが必要」
主な改善ポイントは、
①これまで不安定(毎年、契約満了が来る)な「身分」だったものが再度の任用(雇用)が予定され、長く働き続けることが可能になる
②低い給料(本俸)が、初年度は正規職員の初任給並み、学歴免許も考慮
③昇給はめったになかったものが、経験年数を考慮し、昇給が可能になる
④一時金はフルタイム・短時間を問わず、期末手当が支給
⑤手当は不充分(特に短時間)だったものが、フルタイムは正規並みに支給(短時間は手当に制限)
⑥福利厚生、休暇は正職員と均衡
2019年春には、「会計年度任用職員」の募集活動が開始されることになります。また、任用の方法は各自治体によることになります。
法改正は、雇用の継続と正規社員との「同一労働同一賃金」実現に向けて「格差」を打破する絶好のチャンスです。各自治体当局に働きかけ、改善点が実行されるよう突き動かすことが大事です。
問題は、これらの事実を当該の臨時・非常勤職員がいかに認識するか、当該労働組合がどう取り組むかにかかっているようです。
これについて、村石富山市議(社民)は、「雇用差別を許さないネットとやま」の学習会開催へのメッセージで、①労働組合からの要求 ②国からの財政措置 ③市民団体からの申し入れ ④非正規職員自らが声を上げること―などが必要であると考え、議会で質問を行い働きかけています。
講師による話、メッセージの後、「質疑応答、意見」の場では多くの質問が出ました。また、現役の公務非正規(教職)の方から自宅に持ち込んでまで業務を処理していると実態が話されるなど、今後につながる学習会でした。
「官製ワーキングプア」ともいわれる非正規の不安定雇用は、女性の人権軽視が背景にあり、差別の温床になっています。
また、公務職場だけに、このままだと、住民サービスの低下を招くとの問題意識も必要でしょう。この問題を注視し具体的な取り組みが必要です。
学習会講師作成による資料は、「資料」のページに掲載してあります。
参加者によるアンケートの声
・働く者としての当然得られる権利が、雇用の形態の違いのみで差があるということは、職場のモラルの低下、又は、分断、ひいては、社会の分断、不安定化につながる深刻な問題である。施政者は強く認識すべき。
・公務員、とくに専門職が非正規化されていることが問題だと感じている。経験を積んできていることに対する評価がなければ、やる気を失うおそれがある。
・外国人労働者の問題に取り組んでほしい。
・又市さんの話はとても分かりやすく、これからの運動の指針となった。具体的な活動として、非正規で働いている人たちへの働きかけ、労働組合役員への働きかけ、強めなければ…
・15年前に退職(教員)したものですが、現状についてその頃から問題点が多く、深いと思っていました。今回、きっちりと実態を聞かせていただき、道はまだまだ遠いと思いますが、頑張るしかないと思いました。
・大変わかりやすい話しでよかったです。自分の働き方、周りの人たちの働き方も少しずつ変えていきたいと思いますが、声をあげるのがなかなか難しいという現実とどう向き合っていくのか…行動について移さないといけませんネ。今日はありがとうございました。
・笛吹けど、労組は動かずの実態は相変わらずと思うが、今大事な時。市民団体として、自治体(県・市町村)に早期に申入れしたらどうかと思った。特に、専門職の該当者はすぐにも登用してほしいものだ。
・法の改正―経験年数考慮、期末手当支給等、情報収集できて良かったです。
・自治労は公務員が対象であり、民間とは違うが公務員も似たような扱いであると思った。非正規社員が多いのは社会で問題。子供が少ないのや、地方の弱力、社会の弱体化につながると思う。
・望めばすべて正社員(正規職員)にする法律を作ればよい。
・公務員労働者の非正規職員の実態についてよくわかったし、市民の役割についても触発されました。
・多くの仲間と連帯し、よりよい社会をめざしたい。
・又市さんが作られた資料・話しはわかりやすく、労働組合の果たす役割もよく理解できた。
・現職の非正規公務員から、自宅に仕事を持ち帰えざるを得ない実態を聞き、改善するためにはどうすればいいのかと思った。